門司文書

門司文書は中世の北九州市域に勢力を保持していた門司氏の子孫に伝えられていた古文書です。平成15年(2003)3月、ご子孫門司尚子様から北九州市に対し寄贈されました。交通の要所である北九州では、時代の変わり目にはたびたび戦乱にまきこまれ、古い時代を語る資料があまり多く残っていません。中世の動乱期の北九州の歴史をよく伝え、また、様々な勢力とかかわりながら勢力を保持した門司氏の活動が窺えるなど、数量・質ともにすぐれた貴重な文化財であることから、平成18年(2006)に福岡県指定文化財となりました。

門司氏は、鎌倉時代の寛元2年(1244)にその祖下総親房が関東より門司に下向し、一族は門司六ヶ郷に土着していきました。六ヶ郷にちなみ門司氏も片野系・大積系・吉志系・楠原系・柳系・伊川系に分立しています。西の麻生氏、東の門司氏と並び称される有力武家で、門司文書には後醍醐天皇や足利尊氏、大内義隆、毛利元就・輝元などからの文書も含まれ、総数は60点を数えます。内容的にも、南北朝時代には関門海峡を渡る敵方の船を兵船で襲うことなど、地域の歴史の特徴をよく伝えるものとなっています。その他、系図2巻があり、うち1巻は永正7年(1510)に書かれたもので、その貴重さは計り知れません。

内容

  • ごあいさつ
  • 門司文書の伝来―解題にかえて―
  • 凡例
  • 文書写真版(カラー) 釈文・読み下し・解説
  • 文書目録
  • あとがき

平成17年、北九州市立自然史・歴史博物館 編集・発行
上製クロス装・函付・糸縢り・アート紙
A4判108頁
カラー写真版付き
販価 4,000円(1冊/税込)

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