最初の化石 カリフォルニア科学アカデミー所蔵

 

 ジョルダン博士の研究した標本(完模式標本)はサンフランシスコのカリフォルニア科学アカデミーに保存されています。体の後半分が欠けた標本で、どのような臀鰭を持っていたかは分かっていませんでした。

 壱岐から産出する魚類化石のうち、イキウスと考えられる化石は臀鰭の長さが異なる2種がいます。いずれも背鰭に太い棘があるのが特徴です。完模式標本と当館の標本を詳細に比較した結果、頭部や背鰭を支える骨の特徴から臀鰭の短い化石がイキウス・ニッポニクスであることがわかりました。

 さらにイキウスは現在朝鮮半島や中国の河川と湖で繁栄しているコイ科のクセノキプリス類(亜科)とクルター類(亜科)の祖先にあたるグループに属することもわかりました。

完模式標本のスケッチ

完模式標本(ホロタイプ)

    Iquius nipponicus Jordan, 1919 

カリフォルニア科学アカデミー

2006年11月

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