新属新種のクモヒトデ化石を発見!(7月31日より研究成果の展示を行います)
2026年07月28日

CTスキャンにより明らかになった化石の姿

標本写真
【ポイント】
- 和歌山県有田郡有田川町久野原の約7,000万年前(白亜紀)の地層から産出したクモヒトデ化石を新属新種として発表
- 「エナコスファルマ・ナガシマイ(Enakosphalma nagashimai)」と命名;「ナガシマイ」は化石の発見者である永島二人(つぎと)氏(故人・福岡市)にちなむ
- CTスキャンを用い、外からは見えない岩石中の部位の特徴も非破壊で観察することにより研究を実施
- アヤマチクモヒトデ科として世界初の白亜紀の化石で、この仲間の進化や深海に適応した過程を考える上で重要
【概要】
和歌山県に分布する約7,000万年前(白亜紀)の地層から発見された当館所蔵の化石を、当館および石田吉明博士(東京都在住)、デビルズゴージ恐竜公園(ドイツ)、ルクセンブルク国立自然史博物館、和歌山県立自然博物館、国立科学博物館で共同研究した結果、アヤマチクモヒトデ科に属する新属新種のクモヒトデ化石であることがわかり学術誌に掲載されました。国内産のクモヒトデ化石の新属としては二例目で、近畿から初めての新種のクモヒトデ化石の報告となります。
研究では、CTスキャンを用い、外からは見えない岩石中の部位の特徴も非破壊で観察することにより、詳細な特徴を明らかにすることに成功しました。アヤマチクモヒトデ科として世界初の白亜紀の化石で、見つかった地層の特徴から、このグループが白亜紀には深海で暮らすようになっていたことが示唆されます。
【研究の意義】
現生のアヤマチクモヒトデ科は、クモヒトデの仲間のうち深海で暮らすものの中の主要メンバーの一つとなっており、約2,000万年前(新生代)に深海で堆積した地層からも化石が見つかっています。一方で、約1億8000万年前~約1億6000万年前(ジュラ紀)の化石が、浅海で堆積した地層から見つかっています。それらの間の約1億6000万年前~約2,000万年前の長い期間については、これまで、アヤマチクモヒトデ科の化石は見つかっていませんでしたが、今回、白亜紀のアヤマチクモヒトデ科としては世界初となる約7,000万年前の化石が見つかりました。発見された地層は、比較的深い海で堆積したと考えられることから、ジュラ紀には浅海で暮らしていたアヤマチクモヒトデ科の仲間が、白亜紀には深海で暮らすようになっていたことが示唆されます。また、今回見つかった約7,000万年前の化石は、より古い時代(約1億8000万年前~約1億6000万年前)と新しい時代(約2,000万年前~現在)の仲間の中間的な形態的特徴を持っており、アヤマチクモヒトデ科の進化史を考える上でも重要です。
【展示】
(1)展示資料
- 実物標本(エナコスファルマ・ナガシマイの世界唯一の標本)
- CTスキャンのデータを元に表面からは見えない部分も3Dプリンターで作製した拡大レプリカ
- 比較用の現生クモヒトデの液浸標本
- 掲載論文
(2)期間
2026年7月31日(金)~2026年9月23日(水・祝)
(3)場所
当館エントランス(無料エリア)
(4)開館時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)

拡大レプリカ
【詳細】プレスリリース