
 |
プロフィール
昆虫担当学芸員(学芸担当部長)
上田 恭一郎
[農学博士]
うえだ きょういちろう
1950年生まれ、九州大学農学部昆虫学教室にて博士課程を終了し、1979年北九州市立自然史博物館の開設準備室に就職、1981年自然史博物館開館以後現生、化石を問わず昆虫担当の学芸員として博物館業務に携わっています。まったくのゼロからはじめた博物館ですが、多くの方々の御協力により、30年目の現在約51万点の昆虫標本が集積されています。 |
![上田 恭一郎(学芸員[学芸担当部長]) 上田 恭一郎(学芸員[学芸担当部長])](images/ueda.jpg)
ロンドン自然史博物館の昆虫図書室
左の棚には1770年代のDe Geerの著作を始め貴重図書がきちんとデータベース化されて配架されています。 |
主な研究業績
【論文】
- 1984: A revision of the genus Deltote R. L. and its allied genera from Japan and Taiwan (Lepidoptera: Noctuidae; Acontiinae). part 1. A generic classification of the genus Deltote R. L. and its allied genera. Bull. Kitakyushu Mus. Nat. Hist. 5: 91-133.(学位論文)
- 1987: A revision of the genus Deltote R. L. and its allied genera from Japan and Taiwan (Lepidoptera: Noctuidae; Acontiinae). part 2. Systematics of the genus Deltote R. L. and its allied genera. Bull. Kitakyushu Mus. Nat. Hist. 6: 1-117. (学位論文)
- 2000: Hepialidae. in Haruta, T. (ed.), Moths of Nepal Part 6: 70-93, plate 169. Tinea 16 (Supplement 1) The Japan Heterocerists' Society.
- 2007: K. Ueda & S. Koiwaya; Examination of the type specimens of Thecla caelestis Leech, 1890 and Zephyrus melli Forster, 1940. Bull. Kitakyushu Mus. Nat. Hist. Hum. Hist., Ser. A, 5: 13-31.
- 2008: New species and additional specimens of giant cicadas from the Lower Cretaceous of Brazil (Auchenorrhyncha: Cicadomorpha: Palaeontinidae). Bull. Kitakyushu Mus. Nat. Hist. Hum. Hist., Ser. A, 6: 23-31.
【監修・校閲】
- 2001: 世界珍虫図鑑.上田恭一郎監修、川上洋一著.人類文化社 191pp.
- 2001: トリバネチョウ生態図鑑.上田恭一郎他監修、松香宏隆著.松香出版 368pp.
- 2007: 世界のゼフィルス大図鑑.上田恭一郎監修、小岩屋敏著.月刊むし社 302pp, 256 pls.
研究紹介
- 学位論文は日本と台湾に産するコヤガ亜科のうちDeltote属とその近縁群の分類学的整理と形態形質による系統推定を試みました。原始的な形質を探索する目的で鱗翅目のいろいろな分類群の形態を観察する中で、雌雄外部生殖器がどのような仕組みで結合するのかに興味が移りました。筋肉系の把握と、実際に交尾をさせ、それらを固定して調べたのですが、やや極端な例(シンジュキノカワガ、コウモリガのいくつかの種)にあたったため、その近縁群のチェックに二の足を踏んでいるのが現状です。もっともロシア、ヨーロッパの研究者からは近年引用されていますので、無駄ではなかったようです。日本産のコウモリガ科の revisionを早く仕上げなくてはいけないので、困っています。
- データベース作成が続いており、GBIFから援助していただき、日本産蝶類(伊達常雄コレクション)1万6千点の表、裏、ラベルを3点セットにしたDBを作成中です。データのみはネット上でも閲覧できるようになりました(http://gbif.ddbj.nig.ac.jp/gbif_search/index.html)。画像は今年度から公開予定で、アドレスが決まったらこのページに掲載します。
- 化石昆虫関連では、新たに収集された標本からブラジルの白亜紀前期のPalaeontinidae(現生のセミの絶滅した姉妹群と考えられてます)の4新種を記載しました。このうち非常に保存状態がよく斑紋も残っている1種Baeocossus murataiは「The Crato fossil beds of Brazil」(2007)の表紙を飾っています。
- 日本昆虫学会が行っている日本産の昆虫目録作成事業にも関わり、鱗翅目のいくつかの科を担当していますが、記載時のタイプロカリティを記述するためには原記載を参照しなくてはいけません。鱗翅目は18世紀からよく調査がすすんでいるので、古書を閲覧しなくてはいけないのですが、日本にないものも多く、結局ロンドンの自然史博物館の図書室へ行き、ラテン語とドイツ文字になやまされています。
- 17年間監修者としてかかわってきた「ゼフィルス図鑑」(2007)が出版されました。184種の原色図鑑ですが、美しいカラープレート、充実した解説で、高価なのですが不況下にもかかわらず多くの人から購入いただきほっとしています。
- 「鱗翅類概説」でヤガ科の変遷原稿も作成していますが、毎年のように新しい体系が提案され、そのフォローに追われています。
|