古来より私たち人間は空を飛ぶことにあこがれてきました。時速300km以上で急降下するハヤブサや、酸素の希薄な5,000m〜8,000m級の山脈を軽々と飛び越えて行くアネハヅルなどは特別な存在に感じられます。これほどでなくとも、スズメやカラスは私たちの周りで軽々と飛び回っています。

空中以外でも、生身の体一つで暮らしている生きものたちは、生きて行くためにそれぞれ卓越した能力をもっています。例えば、チーターはおよそ時速100kmで走ることができますし、バショウカジキは時速100km以上で泳げるそうです。自由に動くことができない植物でさえも、風を利用して遠くまで種を飛ばすものがあります。

このように、この展示会では鳥類をはじめとして空を飛ぶことを実現した生きものたちを中心に紹介するとともに、当たり前のように思われがちな生きもののスゴイ能力について改めて見直してみます。また、北九州市立総合農事センターのご好意により、「さっちゃん」の愛称で親しまれた木曽馬長寿日本一の「幸春号」の剥製標本も初公開します。さらには、日頃から水生生物の調査と保全に熱心な活動を続けている「北九州・魚部」の特別協力による「大どじょう展」も同時開催します。日本のドジョウのすべてが分かる企画です。あわせてお楽しみいただければ幸いです。

最後になりますが、本展の開催にあたってご協力いただいた多くの方々にお礼申し上げます。

ホントはすごいどうぶつ展実行委員会　委員長
北九州市立いのちのたび博物館（自然史・歴史博物館）　館長
上田　恭一郎