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新聞掲載日:2007/03/17
No.088
ジュゴンの化石/東アジアで最古
温暖な海で生活するジュゴンの中に、寒冷な海で生活する巨大な種類が現れ、ベーリング海に分布していたが、18世紀に絶滅した。この寒冷気候に合った海牛が進化していく過程は、北日本で発見された多くの化石が証拠を提供している。 地質年代の上では、中新世から鮮新世にかけて(今から1500万年から500万年前)あたりで、急速に寒い海の生活に合った体の種類が現れる。 これらの海牛類と比べて、懸け離れて古い時代の海牛類の化石が北九州で発見されているのは興味深い。標本は若松区の海岸で発見された2つの脊椎(せきつい)骨である。 今から約3000万年前のもので、上に伸びた突起が短いことなどから、鯨類などではなく、ジュゴンの祖先にあたる動物のものであることが分かる。 あまり目立たない化石ではあるが、東アジアでは最古の海牛類化石標本である。この標本が日本で発見されたことで、ジュゴン類の太平洋への到達が1000万年以上さかのぼった。 また、大西洋側からの侵入よりインド洋側からの移動という、より自然な説を補強する重要な標本でもある。
文章:
岡崎美彦学芸員
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