北九州市立自然史・歴史博物館 いのちのたび博物館 KITAKYUSHU MUSEUM OF NATURAL HISTORY & HUMAN HISTORY

安川敬一郎日記(第4巻)

歴史系刊行物

『安川敬一郎日記』第四巻

 北九州市立自然史・歴史博物館では、麻生家・貝島家と並んで「筑豊御三家」と称された安川・松本家の総帥安川敬一郎(1849~1934)の日記を全5巻で翻刻・刊行する計画を進めています。第四巻は全408頁で、詳しい解題を付けています。

 第四巻は、1921(大正10)年11月24日から1925(大正14)年10月31日までの4年弱の分を収録しました。70代に入った安川はすでに、企業経営を子の松本健次郎・安川清三郎・安川第五郎に任せていて、おだやかな日々を送っていたようですが、1924(大正13)年6月7日の貴族院男爵議員補欠選挙に当選し、翌1925(大正14)年7月10日まで、1年余りその任にありました。この間、1924年6月25日に第49帝国議会が、12月24日には第50帝国議会がそれぞれ招集されていて、後者はいわゆる「普通選挙制」を採用する衆議院議員選挙法改正案が可決された議会として知られています。安川は普通選挙制導入は時期尚早であるとして、法案反対の立場で積極的な活動を展開しました。「日記」には、安川が観察した両帝国議会の様相と、安川の法案反対運動が詳細に記録されていて、興味深いところです。

 1923(大正12)年9月1日に関東地方を襲った大地震は「関東大震災」と呼ばれ、甚大な被害をもたらしました。安川の日記も在京の親族・知己の安否を気遣いながら、関東大震災に関する続報で埋め尽くされています。1849(嘉永2)年生まれの安川は、7歳の時の安政大地震と75歳の「関東大震災」の2度、江戸・東京の「全滅」というべき大地震を経験したと日記に記しています。いずれも安川自身が大地震の現場に遭遇したわけではありませんが、関東大震災の衝撃が幼ない日の記憶を呼び起こしたのでしょう。安川が関東大震災の現場を目の当たりにするのは11月24日のことです。東京や横浜の被災と復興の状況を視察・記録しています。

 北九州市立自然史・歴史博物館のミュージアムショップで購入できます。価格は3,800円。実費負担で郵送も行っています。詳しくは北九州市立自然史・歴史博物館(093-681-1011)まで。